【Kotlin】DevContainer環境セットアップ

Kotlinを学ぶ際、ローカル環境を汚さずにサクッと試せるのがVS CodeのDev Containerです。本記事では、Microsoft公式のJavaベースDev ContainerイメージにKotlinコンパイラを組み込み、.kt（コンパイル実行）と.kts（スクリプト実行）の両方をVS Code上の▶️ボタンで動かす手順を、設定ファイルの解説とともにご紹介します。

Kotlinとは

Kotlin公式サイトによると、KotlinはJetBrains社が開発したJVM上で動作する静的型付け言語です。

Javaとの相互運用性が高く、簡潔で安全な文法を提供
サーバーサイド、Android、マルチプラットフォームで活躍

Dev Container設定ファイル

以下をプロジェクト直下の.devcontainer/devcontainer.jsonとして保存してください。

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// .devcontainer/devcontainer.json
{
  // VS Code上に表示されるコンテナ名
  "name": "Kotlin Dev Container",

  // ベースイメージ：Java 17＋Debian Bullseye、Gradleプリインストール版
  "image": "mcr.microsoft.com/devcontainers/java:0-17-bullseye",

  // 追加Feature定義
  "features": {
    // Java Feature：Mavenは不要、Gradleのみ有効化
    "ghcr.io/devcontainers/features/java:1": {
      "version": "none",
      "installMaven": "false",
      "installGradle": "true"
    },
    // Kotlinコンパイラ（kotlinc）をインストール
    "ghcr.io/mikaello/devcontainer-features/kotlinc:1": {}
  },

  // VS Code拡張機能の自動インストール
  "customizations": {
    "vscode": {
      "extensions": [
        "fwcd.kotlin",               // Kotlin言語サポート
        "vscjava.vscode-java-pack",  // Java開発パック
        "vscjava.vscode-gradle"      // Gradleタスク連携
      ]
    }
  },

  // ホストの作業フォルダをコンテナにマウント
  "workspaceMount": "source=${localWorkspaceFolder},target=/workspace,type=bind,consistency=cached",
  "workspaceFolder": "/workspace",

  // コンテナ停止後もファイルを保持
  "shutdownAction": "none"
}

これで .kt,.kts のファイルはエディター上の上部にある▶️ボタンを押すことで実行できます。

使い分けポイント

Kotlinファイルには大きく分けて「コンパイルしてJARを実行する .kt」と「スクリプト実行できる .kts」の2種類があります。用途に応じて使い分けましょう。

用途	ファイル拡張子	特長
大規模アプリ開発	`.kt`	パッケージ管理・IDEフルサポート／デバッグ機能あり
簡易スクリプト実行	`.kts`	書いてすぐ実行可能／起動オーバーヘッドが小さい

.kt の使い方と実行例

Hello.kt

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fun main() {
    println("Hello, world!")
}

実行コマンド

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kotlinc Hello.kt -include-runtime -d Hello.jar
java -jar Hello.jar

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Hello, world!

ポイント：kotlincでJARを生成し、java -jarで起動。
注意：JVM起動オーバーヘッドがあるため、やや時間がかかる。

.kts の使い方と実行例

Hello.kts

println("Hello, world!")

実行コマンド

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kotlinc -script Hello.kts

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Hello, world!

ポイント：kotlinc -scriptで直接実行。
メリット：コンパイル不要で起動が高速、スクリプト的な開発に最適。